2012年3月26日号 第4718号
3月26日号ー主なニュースー
○壱岐の隠れた魅力掘り起こしー探訪バスツアーに市民ら90人ー
市内の観光名所を巡るバスツアーが18日と20日に行われ、両日合わせて歴史ファンら市民90人が参加。壱岐の隠れた魅力に触れた。
おもてなしの心と壱岐の案内人を養成することを目的にボランティア団体「チーム防人」(中山忠治代表)が主催。市と県が共催し昨年に続き2回目となった。
○原の辻に人面石形の植栽ー壱岐土地改良区ー
壱岐土地改良区(此見武次理事長)は16日、芦辺町、原の辻ガイダンス西側の余剰地約400平方㍍にビオラとパンジーを植栽した=写真=。
○社説 ご愛読に感謝して
いよいよ58年の歴史の幕を引く時がやってきた。読者の皆様はもちろん、本紙の歴史を築いてきた多くの先輩方、社会の公器として認め様々に支援して頂いた市民の皆様には、誠に申し訳のない形での廃刊に、最後の編集長としてただただ恥じ入るばかり。
およそ30年も前、飛行機を乗り継ぎ、ここ壱岐の島に初めて降り立った夏の暑い日、吹き抜ける大気は澄み、季節を肌に焼き付けるように照る太陽、ホテルへの途中に見た青く透き通る海と、驚くべき自然の存在感に圧倒され、次の世代にはこうした素晴らしい地で、と感じたことが思い出される。
壱岐の島に縁あって人生の転換期を迎え、音楽に関係する仕事から、本紙、壱岐日報で世話になり記者の道にはいったのは26年前。父が転勤族だったことから、北海道、関東、九州(福岡)などあちこちに住んだが、壱岐での春は27回目で、年齢のちょうど半分にあたる。どこよりも濃い時間を過ごすことができたこと、まずは出会ってきた多くの人たちに、心よりの感謝を捧げたい。
この間、壱岐として長年の懸案事項の一つだった「一本化」は、旧4町が平成16年に市として新たなスタートを切り、翌年17年、公立病院が紆余曲折の末に移転新築、市民病院として開業したものの、医師の確保など思うに任せず厳しい経営が続いている。本市の文化イベントの拠点的施設としての役割を担う文化ホールが同8年にオープン、国の特別史跡・原の辻遺跡の環濠を一望にする位置に一支国博物館と県埋蔵文化財センターが一昨年、22年に開館。様々な講座やワークショップ、特別展など催されている。
空路の福岡便が11年にピリオドを打ち、2隻体制で福岡、壱岐間をおよそ1時間10分で結ぶ高速船が3年に就航、この4月には新フェリーが就航する。観光への波及効果が期待されるも、なかなか厳しい状況にある。
過疎化、少子高齢化が進み人口の減少が進む中、本市の人口も3万人を割り込みこの2月末現在、2万9777人。10校あった中学校は23年、規模の適正化に伴い旧4町に各1校の4校となった。光ファイバー網の整備による情報通信体制のスタート、ケーブルテレビの開局―など記憶に新しい。
悲喜こもごも、明暗様々なニュースをもとに、毎月1と6のつく日を中心に発行し続け、最終号の3月26日号のナンバーは4718号で、この壱岐日報でのまさに書き納めである。
読者の皆様、ほんとうにご愛読ありがとうございました。
○ひとしずく
「人は愛を全身で表す。言葉は付属品に過ぎない。しかし、ただの付属品ではない。人として生まれたからには、知性を示す重要な付属品だ。言葉を持つことにより愛はますます高まった。私にとって言葉は世界そのもの。文字を綴ることにより言葉となり愛へと変わる」▼冒頭の一節は、もう成人している小さな友人の言葉で、この言葉を胸に深く刻んでの26年間の発行、新聞づくりだったように思う。彼の言葉は本市の壱岐、壱岐商業の両高校の卒業生らにも、「チャレンジを 止むことなしや その心 若きを保て 知を得て高く」と、エールのつもりで掲載してきた▼何とかそんな美しい言葉を紙面にと思い、様々なワークショップに参加したり、表現力もと、朝の連続ドラマに主演している女優・夏木マリさんの講習会にも参加した。「人は皆表現者」と、とても厳しい指導だった。とにかく、「様々な表現がその人にとって真実であることが大切」という言葉が忘れられない▼そんなこんなで多くを学んだ26年間であった。特にコラムを書くようになり、出会った市内外の多くの人たちから受ける刺激に触発されて学ぶことが多く、影響を受けた人たちも少なくない。今後も記者人生は続くことになるが、〝出会い〟を心に刻みながら書き続けたい▼さて、いよいよである。読者の皆さん長きにわたるご愛読、誠にありがとうございました。
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