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2012年3月21日号 第4717号 

3月21日号ー主なニュースー


○社説 春の人事異動に

 今月3月は年度末の月で、毎年、諸官庁をはじめ多くの企業、事業所などが、この1年間の総まとめに追われ、多忙を極める1か月ではないかと思う。また今月は、4月からの新年度に備える月でもあり、春の人事異動で、新たな陣容が発表される月でもある。
 本年も県警察の異動が9日、県職員、市職員、市教職員の内示が19日にあった。毎年のこととはいえ、島外への転勤がある職場では、集中する異動で引っ越しのトラックの手配なども含めその対応に追われる。
 これから郷ノ浦、芦辺、印通寺の各港では、行く人たちと見送る市民らの心をつなぎとめるかのように5色の紙テープが渡され、その思いを断ち切るように、船はドラの音を合図に出航、徐々に岸壁を離れ、後を引く島への思いが、春風に舞う5色のテープに象徴されているようにすら感じられる、島ならではのシーンが繰り返される。
 人事異動は、職場の人事を刷新し、職員らの実績や能力などに応じて、地位を与えたり、配置転換などにより、各職員はもちろん、各職場や職域の活性を高めながら、効率やレベルアップを図ることで、全体の実績の向上へつなげるべく実施されるもので、今後は、市職員の異動など、それまでの経験から身に付けたノウハウやネットワークなど、より全体的なスケール、ビジョンを持って、担当課などの仕事に活かし、それこそ全体のレベルアップにつながる人材、スペシャリストを育てる方向での考えがこれまで以上に必要となろう。新年度早々には市長選が実施されるが、妙な意識の流れがあるような想像を呼ぶ人事は避けなければならない。職員の士気にも影響しよう。
 人々の考え方、感じ方などや生活スタイル、多様な格差の拡大、厳しい経済の状況などから、社会の多様なシステム、行財政のあり方なども大きな変化の中にあるだけに、職員らの総合力を上げるためにも、若手、人材がたくましく育っていくための環境のこれまで以上の整備は、非常に重要である。
 例えば、直接仕事に反映されないように思われる分野の様々な研修への参加などを奨励し、所属する課内はもちろん希望する市民へも、その参加者による同様の研修会の開催や報告会を必ず行うようにして、そこでの情報を共有する―などもいいのでは。様々なジャンルでの若手、人材の成長なくして、新たな発展はない。
 さて、今回の異動や就職、進学で壱岐を離れる人には、新天地での活躍を記念しつつ、壱岐の魅力をPRする“特使”役を頼みたい。どうぞよろしく。


○ひとしずく

おそらく壱岐で初めて昨年9月に発足したバレエ教室「壱岐子どもバレエ教室」初の発表会となる「おさらい会」が18日に石田スポーツセンターで開かれ、教室の子どもたちが一生懸命に踊る姿を感慨深く観せてもらった▼バレエというと、知り合いの前衛舞踊のダンサーが「どのスポーツより節制に努めて体を維持し、その体の隅々に意思を伝えながら音楽と共に演じ、作品の芸術性を表現する究極の自己表現が求められ、最高に過酷な芸術」と話していたことが思い出される▼この3月、短大を卒業した娘が、ちょうど小学校に入学した頃だったか、福岡市などに住む音楽家たちに頼みバレエの指導者を探したことがある。その時は、バレエは姿勢が良くなったり有酸素運動的効果があって、ダイエットにも良いなどと流行し始め、壱岐にまで指導者を派遣してもらうためには、費用がかかりすぎることから断念したことも▼最近は転勤などで来島した家族を中心に、子どもがバレエ教室に通っていたり、「習いたい、習わせたい」との思いが強まり、ちょうど福岡の教室で指導助手をしていた女性の壱岐勤務と重なり、壱岐教室のスタートにつながったという▼その実現には、関係者の努力もあったものと思うが、「その時」の到来が、子どもたちの可愛らしい踊りを観ながら感じられて―である。