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2011年10月11日号 第4687号 

10月11日号ー主なニュースー


○社説 ポイントは「安全」「安心」市民皆で愛用しよう

 「栗名月」―「十三夜の月」も美しかったが、昨晩の月も素晴らしく、壱岐産麦焼酎の湯割が入ったグラスを手に、おでんを突きながらも、時々にその月を見上げながら、我が家でゆっくりと秋の夜を楽しんだ。
 ”西高東低の気圧配置”という言葉が聞かれるようになり、「鍋本番」の頃も近づいて…などと思っていると、友人から船からの釣りに誘われ、キロを超えるクロ(メジナ)かオナガグロ(クロメジナ)、イサキかマダイを釣って、片身は刺身、片身はしゃぶしゃぶにしてとか、アラカブ(カサゴ)などの根魚だったらちりに―などと、”左党”はもちろん、食いしん坊には、何とも堪(こた)えられない様子をイメージしての出航だったが、食欲が魚の危機感をあおったのか、結局、先に記した月のような坊主な結果となった。
 そう言えば時が経つのは早いもので、来月17日にはあの有名な新酒ワイン「ボージョレ・ヌーヴォー」が解禁になる。が、最近は以前に比べてワインを飲む機会が減り、焼酎をメインに飲むことが多くなった。我が家を訪れる友人たちも、ビールから焼酎というコースをたどる事がほとんどで、市内の農家が作った緑の葉野菜や根菜の葉をたっぷりと使った定番の鍋を囲み、最近の出来事や日々の暮らしで感じていること、学び気付いたこと、マイブームなどについて語り合いながら、じっくりとそのシーズン到来を楽しむというのが我が家”流”?。
 来月11月1日は「いい日いい月」の「本格焼酎の日」で、特に壱岐産の麦焼酎のように、確立された製法と品質、社会的な評価など勘案して国際的にも保護する制度の地理的表示を平成7年に受け、世界に通じるブランドとなった”本物”には、壱岐で収穫された野菜に獲れた魚、育った牛の肉などを使った料理、加工品との相性は素晴らしい。長崎市、諏訪神社の秋の大祭・「長崎くんち」ではないが、まさに「もってこい」の味わいである。島の味わいを堪能できる壱岐産の焼酎と一緒に、そうした産品をより広く伝えたい。市民皆が壱岐のふる里産品振興の応援団員となって利用しPRしよう。
 今年も残すところ3か月を切った。大手スーパーなどのチラシには、来年の正月用「おせち料理」予約の広告が、他の売り出し商品のPRと一緒にチラシに掲載されていた。歳末商戦の頃も近づいてきている。今後、生産者の顔と安全・安心の産地、品であることは、今後はさらに販売時の重要なポイントとなる。普段の生活はもちろん、贈答用にも壱岐のふるさと産品を愛用しよう。


○ひとしずく

一支国博物館の市民参加型企画展「しまごと芸術祭」が7日、市民絵画・写真展、上田清人展の美術展でスタートした。市民絵画展では、100点を超える力作が展示され、視点のおもしろさや自分にはないイメージの膨らみが感じられる作品もあり、楽しく観ることができた▼会場の入り口近くに設置されている本市出身の彫刻家、小金丸幾久氏の作品「万葉の少女」の、とても柔らかな表情が何とも素晴らしく、少し緊張しながら、市民らの作品を見終えた後、心和む”何か”があった▼沼津中学校に勤務した際のインスピレーションが作品となっているのであろう上田清人氏の作品には、それは深く共感を覚えた。まず目に飛び込んできた大作「一支国賛歌」、次に置かれた「大地に遊ぶ」、次の「原の辻伝説」「早春譜」「初秋の台地」「大地の詩」「飛び立つ時」「蛇が谷」そして彫刻の「弥生からの旅人」▼とにかく作品に描き込まれている深さと透明感のあるブルーの美しさに惹かれた。特に「一支国賛歌」の次に「大地に遊ぶ」を観ていると、古事記の国生み神話が連想され、作品の中に入り込んでしまったような心持ちになった▼音楽祭のスタートとなった日韓打楽器の競演も素晴らしかった。来月27日までの期間中、是非一度は博物館に足を運び、「芸術の秋」をゆっくりと味わいたい。