2007年10月22日号 第4409号  

10月22日号 ー主なニュースー

〇県内初の高校生・模擬裁判 ー裁判員制度の施行前に長崎地方検察庁ー

 長崎地方検察庁は平成二十一年五月までに始まる裁判員制度広報活動の一環として十八日、壱岐高校(川本敏光校長)で、模擬裁判を実施した。高校生による模擬裁判は県内初。
 設定は、認知症で寝たきりの実母を二年間介護していた娘が、介護疲れから自宅で絞殺してしまうという実際の事件を基に作られた「介護疲れによる実母殺人事件」で、同校一年生が裁判官二人、検察官三人、弁護人三人、裁判員六人を担当、裁判長役の同地検検事が裁判を進行し、生徒は検察庁職員が演じる被告人らに、事件当日の様子を質問するなど、緊張感のある”裁判”が展開された。
 判決では、検察側から人道に反する悪質な犯行として懲役八年の実刑、弁護側から介護の大変さや反省の念があることなど考慮し執行猶予付き判決を求める意見がそれぞれ出され、それを踏まえ裁判員六人と裁判官三人が評議、「介護疲れのため精神的に追い詰められており、同情の余地がある」「疲れを理由に殺害は良くない」などと話し合われた結果、懲役五年の実刑を言い渡した。
 模擬裁判を傍聴した同地検・荒木俊夫検事正は「人の人生を決めてしまう裁判で、率直な意見を言っていただき成功だったと思う」と感想を語った。


真剣に取り組む生徒たち

〇社会の変化に対応する活動 ー約400人が参加、第49回市公民館大会ー

 市公民館連絡協議会、市教育委員会主催の第四十九回市公民館大会が十八日、芦辺町、離島センターで「社会の変化に対応する公民館活動」をテーマに、市内公民館長ら関係者合わせて約四百人が参加して行われた。
 大会は、最後に▽環境問題を積極的に取り入れ、産業廃棄物を持ち込まない持ち出さないの原則を重視し、環境の美化を▽生涯学習の拠点として魅力ある企画を考案し、公民館の充実発展を▽青少年健全育成のため、学校・家庭・地域の密接な連携を強化し、子どもの奉仕活動、体験活動の促進に努めるーの三点の大会宣言を採択、今大会でも産廃など環境問題、少子高齢化に伴う人口減や子どもが被害者となる事件を防ぐーなど、今日の社会情勢を反映する内容となった。

〇秋晴れの下、6競技で熱戦 ー約700人の市民が出場ー
 ー第55回市民体育大会ー


 スポーツの秋、本市最大のイベント・第55回市民体育大会(壱岐体育協会主催)が21日、郷ノ浦町、大谷グラウンドをメイン会場に開かれた。
 郡民体育大会から数えて第55回大会となった今年は、旧四町の代表選手ら約700人の市民が出場、開会式で本年度体育協会表彰に続き、空手に出場の石田町、真弓直樹さん(35)が「不撓(ふとう)不屈の精神で力いっぱいプレーします」などと力強く選手宣誓した後、陸上、剣道、柔道、空手、ゲートボール、ボウリングの6種目が各会場で行われた。


選手宣誓をする真弓直樹さん

〇感染者からの感染の可能性なし ー芦辺町松嶋病院で結核集団感染ー

県は十六日、芦辺町、松嶋病院(松嶋喬院長)の職員十二人が結核に感染、うち三人が発症したと発表、この日、松嶋院長らは市役所で会見を開き、感染の経緯など説明、その後、職員と入院患者の検査結果が判明した十九日に二回目の会見を開き、最終的な検査結果を発表した。
発表によると十九日現在、全職員四十四人と全入院患者二十六人の七十人中、感染者は十五人でそのうち三人が発症、このほか八人が判定保留で、いずれも同病院の職員となっている。入院患者への感染はなかった。感染の可能性の有無を調べる喀痰塗沫(かくたんとまつ)検査では職員、入院患者ともに全員陰性で、患者、感染者から感染する可能性はないという。

〇石包丁で穂の刈り取りも ー原の辻遺跡赤米稲刈り体験ー



 原の辻遺跡保存等協議会主催の本年度「赤米稲刈り体験」が二十日、同遺跡調査事務所前のほ場で開かれた。
 今回は、壱岐高校歴史文化コースの生徒十六人はじめ、市内ALT四人、小学生ら合わせて約百三十人が参加、六月に植えた赤米(約十アール)を約一時間で手早く刈り取った。今回は稲の刈り取りに加え、児童は弥生時代に使われていたとされる石包丁を使い、穂の刈り取りも行った=写真=。

〇華やかなハーモニー披露 ーシエナ・ブラスー

 トロンボーン、ホルン、トランペット、チューバで編成される金管アンサンブル、シエナ・ブラス(十人)の壱岐公演が二十一日午後、郷ノ浦町・文化ホール・中ホールで開かれ、聴衆はプロの金管楽器奏者たちの見事なテクニックと輝かしい金管楽器のハーモニーを楽しんだ。


素晴しい演奏を披露したシエナ・ブラス

〇社説 市民皆で「文化の秋」

 ”寒波”が上空を通過してなどという言葉が、こんなに早く聞かれるようになるとは思えないくらい、あの暑さは引かないように感じられていたが、季節が霜が降りる頃となったことを知らせる二十四節気の一つ「霜降」が二十四日に近づき、日差しは強いものの吹く風にはその頃になったことがわかる”冷たさ”が実感される。まさに晩秋の頃。
 きょう二十二日の日の出は午前六時三十一分、日没が午後五時四十一分と、本紙の潮どきにもあるように、季節は夜長の頃に入り、澄んだ夜空の月明りが冷たい外気の中で、この島のシルエットを際立たせるように柔らかに降り、星の輝きも一段と美しく際立って感じられてーなどと、物思いに耽りながら、その静けさが心に染み入るような夜に、それぞれが心の内の詩的でファンタスティックな、ある意味本質的な世界へと、読書や音楽鑑賞、瞑想などといったそれぞれのツールを使って、季節的な心地好さもあり向かいやすい時季である。
 晩秋(陰暦の九月の異称・今年は十月十一日から十一月九日)から初冬(同じく十月の異称・十一月十日から十二月九日)にかけては、自由と平和を愛し、文化をすすめるーと制定された「文化の日」(十一月三日)を前後して文化のシーズン。本市でも様々な文化行事が展開されるが、そのシーズン開幕を告げるファンファーレのように、母が勝本町出身のトロンボーン奏者、郡恭一さん率いる金管楽器のアンサンブル、「シエナ・アンサンブル」の演奏会が、武生水中学校と壱岐高校の吹奏楽部、市内のコーラスグループとの共演などあるプログラムで開かれ、金管楽器の明るく輝かしい音色のハーモニーが文化ホールに響いた。
 このあと二十七日夜には壱岐キリスト教会(郷ノ浦町片原)で、九州交響楽団の首席奏者らによる二つのバイオリンとギターによるバロック音楽コンサート、十一月二十三日夜には文化ホールで、和太鼓の「ジパング」による演奏会が予定されるなど楽しみなコンサートが続き、市内では文化の日に郷ノ浦町で「ごうのうらひろばの日」、芦辺町文化祭(二日から文化展)が離島センターとまなびの館で、勝本町では来月十日と十一日の両日、文化センターと勝本支所、石田町では二十五日にそれぞれの文化行事が予定されている。
 さらに壱岐文化協会の文化祭が文化ホールで▽十六〜十八日・壱岐美術展▽十七日・文化祭▽十八日・芸能祭と、まさに、「文化の秋」のフィナーレを飾るよう開かれる。心を育て情緒を育む文化、その精神性を謳う市民の文化イベントを、皆で楽しみたい。

〇ひとしずく

「最近、ツツガムシ病で亡くなられた人がいる。市民に注意を呼びかけて」という連絡が勝本町の読者からあった▼さっそく壱岐保健所に尋ねてみると、先日、同様の問い合わせがあったが、そのような報告はあっていない。これから初冬にかけて発症の連絡があるので、注意を喚起するため、市民への広報を考えているーと担当者が話した▼ツツガムシはダニの一種で、この虫がいる草むらなどで菌を持つこの虫の幼虫に刺されると感染し潜伏期間は五〜十四日。典型的な症例として三十九度以上の高熱を伴い、皮ふに特徴的な刺し口が見られ、数日後に発疹ができ、患者の多くが倦怠感と頭痛を訴え、治療が遅れると死に到ることもあり致死率は高い。春から初夏、秋から初冬にピークがあり、一年を通して注意する必要があるという▼以前は山形、秋田、新潟などで夏に感染する風土病とされ、「つつがない」「つつがなく」という慣用句の語源とされたが、「恙」=つつが=は災難や病気という意味で、ダニの一種による感染症であることがわかり、そのダニに命名されたそう▼とにかく、その虫がいそうな場所(草地、山林、耕作地など)に行かないことが一番だが、入る際は刺されるのを防ぐような服装をし、ダニ忌避剤を使用するなどして、その後は早目に入浴、洗濯しダニを洗い流すことぐらいが予防法という。