2007年3月26日号 第4368号
3月26日号 ―主なニュース―
○ 国際コンペに出品の予定 ―壱岐で短編映画を撮影― ―東京クリエイティブプロダクション「円」―
東京都、大正大学の学生らが組織するクリエイティブプロダクション「円」(えん)のスタッフ十四人が十六日から二十二日までの一週間、本市で短編映画「 の向こう側」(仮)の撮影を行った。
ストーリーは、漠然とした不安を持つある少女が一人の老婆と出会い、次第に心を開く様子を描写した約二十分間のヒューマンストーリーで、目標を持てず人生に不安を持った人や新たな世界に飛び込もうとする人へ向けた内容という。
監督は同大学の表現文化学科で講義を行う石原康臣さん(30)。石原監督の母親が本市出身だったことがきっかけでロケ地に選ばれ、昨年十二月に企画、撮影は勝本町、つたや旅館をはじめ、郷ノ浦町、猿岩、ツインズビーチなど市内各地の観光地で行われ、エキストラに本市在住者も起用されている。
同映画には、老婆役で劇作家・寺山修司さんが主宰した「演劇実験室天井桟敷」に所属、蜷川幸雄演出の舞台「身毒丸」に出演し多方面で活躍し、独特のしゃがれ声が演技に味わいを加える女優・蘭妖子さん(64)も出演している。
プロデューサーの栗山直樹さん(22)は、「壱岐の人が優しい気持ちで迎えてくれて、その協力があったこそ成り立ったようなもので、壱岐のロケーションも最高でした」などと撮影の感想を語った。
作品は今後、五月上旬ごろに編集作業を終え、完成する運びで、国際コンペに出品される予定という。
「猿岩」の駐車場で行われた撮影
○ 社説 「○○づくり」のプロセスにこそ
郷ノ浦町、半城湾の最も奥の穏やかな海を見下ろす位置に、赤や白のチューリップが咲き、ナノハナからなのか強く甘い香りが辺りに漂う畑がある。昨日は観光客なのか若いカップルが、”春爛漫”とばかりに咲く花、一帯の春の風景をバックに写真を写していた。
もう七、八年前になるのか、サイクリングで来島した観光客の男性から、その半城湾奥の一帯の風景、見事なヤマザクラが咲く壱岐の春の景色が気に入り、何回かサイクリングをしに来島したことがある―という話しを、町内の居酒屋で聞いたことを覚えている。
その観光客ではないが、これからより美しさを増す春の花々がピークを迎え、気候もよくなると、観光客ではなくても”島の春”を様々に味わい、萌(も)え出す島の自然を自分なりの方法で体験し、実感したい―と思う頃であり、季節が進むにつれてそのメニューも多くなり、組み合わせによっては、旅の重要な目的とされる「非日常」がより鮮明に楽しめる頃となる。
1.観光ガイド(島の観光案内人)2.地域コーディネーター(旅行商品やツアーの世話をする人)3.ブルー、グリーンツーリズム・インストラクター(農・漁業体験の指導者)4.商品開発クリエーター(地域産品を活かした新商品やブランド化を推進する人)5.観光リーダー(観光振興のリーダー候補)の五コースからなり、壱岐、対馬、上・下五島の四地区でスタートした人材育成事業、「壱岐地区しま自慢観光カレッジ」の修了式が十六日に開かれ、二十二人が修了書を手にした。
今、少々かげりが見えている本市の観光の活性を高めるための人材として、その観光カレッジを終えた新たな人材・「芽」を、今後、どのようにその芽を活かし、伸ばしてゆくか、また、伸びてゆくかは、受け入れる側のスケール、人材に対する基本的な姿勢が問われるだけに、真摯に自らと対峙することにもなり、厳しさが見え隠れしている。が、その「場」を通過することで、現状をよく理解し、すでにある人材を含めた素質に光を当てて磨き、”新たなる何か(もの)”を創出するというプロセスの中に、活性への道筋があろう。
市としてスタートし、この三月で三年が過ぎた壱岐の島。ここでも様々に人づくりが急務とされている。これまでも多様なプロジェクトが実施されてきたが、もう一つ受け入れ側のスタンスに、育てようとする意志が薄いように観じられてならない。「育つ」「育てる」これはどちらにとっても非常に大きなエネルギーが必要であるが、そのプロセスに”こそ”である。
○ ひとしずく
春の嵐のような天候となった一昨日から、昨日は春の強い日が差して気温も上がり、サクラの花があちこちで咲き出し、我が社近くで国の機関の合同庁舎や盈科小学校のサクラもポツポツとではあるが花が開き始めた▼昨日の午後、仕事をしながらも初夏のような陽気も手伝って春眠―どうも眠気に誘われているような状況となり、気分転換を図ろうと外に出た。その時、目の前を何かがとても速いスピードで通り過ぎていったような気がしたので、空を見上げると、ツバメが旋回していた▼季節の行くスピードは、遅いようで気づくととても速い…などと、そのツバメの姿に妙に感心しながら歩いていると、横を通り過ぎた車から、春の甲子園の放送が聞こえてきた。そういえば大相撲の大阪場所も千秋楽、プロ野球のパリーグも昨日開幕などと思いが巡った。まったく速いものである▼そう思うと、四十九歳の自分にも、それだけの四季が過ぎ行き、「そろそろフィナーレに向けたシナリオを考えなくては」の想いが頭をよぎった。「人は皆役者、人生は劇場」という言葉を、どこかで見たか聞いたように思う。やはりフィナーレというものは、明るく盛り上がってラストの一言、一音へと向かうものと考えると、逆に端々としてという言葉が浮かんだ▼さて、いずれにしても”よくやった”と締めくくりたいものである。
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