2007年3月21日号 第4367号 

3月21日 −主なニュース−


○ 国指定に向け文科大臣に答申−壱岐笹塚古墳出土品162点、国文化審議会−

笹塚古墳・金銅製亀形飾金具


笹塚古墳・金銅製品・馬具類

 国の文化審議会(石澤良昭会長)は十六日、勝本町、笹塚古墳の出土品・金銅製亀形飾金具、馬具装飾品など百六十二点について、新たに指定すべき重要文化財として文部科学大臣に答申を行った。
 笹塚古墳は、六世紀末から七世紀の壱岐を治めた首長の墳墓と推定され、標高八十五mの丘陵に立地、直径六十六mの基檀上に直径四十mの盛土を持ち、円墳では県内最大級の規模を誇り、平成元年と同十四、十五年度の調査で石室内から金銅製の馬具類、鏃や刀などの鉄製武器類、鎌、鋤などの鉄製農工具類、ガラス製の玉など約千点の遺物が出土しており、その精巧なつくりは当時の金工技術の水準を知る上で学術的に貴重とされている。

○ 春の風物詩 −『美濃の谷詣り』−




 本市春の風物詩の一つ、「美濃の谷詣り」が今年も彼岸入りとなった十八日から始まった。
 壱岐西国三十三ヵ所霊場の最後の札所として知られる美濃の谷では、亡くなった人の顔が浮かぶとされる涙川(なみだごう)や十方施主供養塔へ、ツバキの花などつけた青竹の杖とへそ菓子を手に、懐かしい人の面影を胸に訪れていた。
同詣りは二十四日の彼岸の明けまで続く。

○ ひとしずく

壱岐商業高校の一、二年生二百十人が二十日、(1)芦辺町、忠魂碑周辺とたかのはら憩の森公園(2)芦辺町、清石浜(3)郷ノ浦町、岳ノ辻A、B(4)石田町、錦浜(5)勝本町、天が原2コースの7グループに分かれ、島内地域清掃活動=観光地クリーン作戦=を行った▼錦浜コースの生徒たちは、マリンパル前に集合して、錦浜までの道のりと錦浜でゴミ、空き缶など拾い集め、意外と多いその量に驚きの声が聞かれたが、岳ノ辻コースの生徒らからは、ポイ捨てのタバコの吸い殻があまりに多かったこと、生活ゴミがビニール袋に入れられて捨てられていたりなど、驚き、怒りともつかない声があがっていた▼観光地など島内各地で一斉に清掃活動を行い、観光地の美化に努め、ゴミの分別・資源再利用の意識の徹底、奉仕の精神を養う?を目的にクリーン作戦は実施され、生徒たちは、ゴミをポイ捨てしないことの大切さを肌で感じたのではないか。それにしても、ポイ捨てのタバコの吸い殻と空き缶は多い▼最近は、多くの団体などが、こうしたクリーン作戦をたびたび行っているが、まさに”イタチごっこ”的な状況で、まったく困ったものである。タバコを吸う人は、まさか自宅やその周囲、マイカー内でポイ捨てはしないだろうから、常に携帯灰皿を持ち歩き使いたい。空き缶、生活ゴミなども決められたように?である。

○ 社説 春、自然と季節の味に

 きょう二十一日は春分、二十四節気の一つ、昼と夜の時間の長さが等しくなり、気温の上がり方も春分から来月上旬にかけてが、一年のうちで大きいという。またきょうは「国民の休日に関する法律」で定められた「春分の日」で、その主旨は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」。さらに彼岸の中日であり、古来、先祖を祭るなど参拝行事が行われていた日でもある。
 今年は、本格的な春の到来を告げるという「黄砂現象」は発生していないように思うが、最近、テレビニュースで、大陸の大気汚染の影響が、壱岐を含め北部九州方面にも出ており、福岡市内では光化学スモッグ=大気中の一酸化炭素や炭化水素、窒素酸化物などが、紫外線によって光化学反応を起こす現象で、人の呼吸器や目などに障害を起こさせる=が発生し、風景が薄い春霞のような状態に?というのを見て、死語になったと思っていたその言葉を久し振りに聞き、驚いたというか、妙に切ない気持ちになった。
 さて、子どもたちの卒業のシーズンも過ぎ、入学、就職など、それぞれに”新しさ”を意識する頃となった。壱岐ではその時を知らせるかのように、少々早目ではあるが、山桜をはじめ、ソメイヨシノらしきサクラも咲き始めたが、この頃寒い日が続いて空気が冷たく感じられ、人間と同様にサクラも寒さで体をちぢこめ、開花を少し遅らせたのではないかと思う。早くこの寒さが抜けて、花ちらしや夜ザクラ見物に出かけ、”新旧の交流を”などと、ついつい…である。
 先日、子どもたちと壱岐の春の山菜を揚げた天ぷらや海の幸を食べた。この時季の山菜の歯ごたえやほろ苦い食味は格別で、旬の食材の滋味に富んだ味わい、香りは素晴らしい。市内のスーパーなどでは、メカブやワカメ、タケノコなども並んでおり、ワカメとタケノコを使った若竹煮やメカブの酢の物をつくり、これに最近ではめっきりその便りを聞かなくなった、サンマ程もあるサヨリの細づくりでも添えて?。そうした海、山の幸を使い、自宅でその味を楽しんでいた頃が、この壱岐の島に住んでいても、懐かしく思い出されるのはなぜか。
 この島の野山、海には、まだまだたくさんの春、季節の味があると思う。が、先にも記した通り、以前はいくらでもいた大サヨリのように、極端に減っているという現実もあることを、それらの旬の味をほおばる時に思い、その味が育った環境と育てた自然に感謝の心を抱きながら味わいたい。
 きっとその想いは、自然のサイクルと響き合う行動へとつながってゆくはず。