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2010年3月26日号 第4578号 

3月26日号 ―主なニュース―

○『壱岐学講座』スタート―11月には検定も、一支国博物館―

壱岐学講演会

 本市の歴史や文化、自然を様々に学ぶ「しまごと大学講座・壱岐学講座」の第一回講座が二十一日、一支国博物館で開かれ市民約五十人が受講した。
【壱岐学講座】
▽4月11日(1)壱岐の歴史(山西實)(2)神社仏閣と文化財(田口唯雄)▽5月9日(1)原の辻遺跡(安楽勉)(2)壱岐の古墳(同)▽6月6日(1)年中行事と祭り(喜多正)(2)壱岐しまあるき(石井敏夫)▽7月4日(1)壱岐の農業(市山等)(2)壱岐の漁業(石井敏夫)▽8月8日(1)壱岐ことば(福田敏)(2)壱岐の料理と食文化(町田典子)▽9月5日(1)壱岐の人物(福田和市)(2)壱岐学総合講座自然編(山内正志)▽10月10日(1)同歴史編(山西實)(2)同人文編(石井敏雄)▽12月5日(1)壱岐焼酎のあゆみ(山内賢明)


○一支国博物館と同時開館―月1回施設の裏側を見るツアーも―
 ―県埋蔵文化財センター(上)―


 一支国博物館が14日に開館した。同施設と一体化し、全体の約4割を占める(博物館との共用部分含む)のが長崎県埋蔵文化財センター。
 その機能、役割などを川久保芳洋同センター所長らに聞き、今号と次号の2回に分けて紹介します。

・役割

埋文センター(所長)
 県教育委員会が運営する同センターは、職員十四人。業務は(1)県の埋蔵文化財保護行政の推進(2)東アジア的視点に立った考古学研究(3)埋蔵文化財保護を通じた壱岐島振興への協力―の3つを柱とする。
 県内で発掘された遺物の整理はこれまで、大村市の旧養護学校跡地を改修した施設か佐世保文化財調査事務所が担い、分析が必要なものは関東や関西などの機関に外部委託してきた。
 川久保所長は、離島・壱岐に整備されたことについて「原の辻遺跡は格段に価値ある遺跡。即座に保存処理も展示もできる。搬送面での離島のハンディ以上の価値がある」と強調し、「原の辻遺跡からは弥生時代に相当する中国の貨幣が見つかっている。東アジアと比較することで価値が増す」とも。
 博物館との合築効果は「この施設はある意味、『展示・公開機能を持った文化財センター』、『調査・研究機能を持った博物館』です」の言葉に同センターへの思いが表れる。
 さらに川久保所長は「研究のみならず、展示の観点で“歴史を活かす”ことで壱岐島の振興に繋げたい」と語った。

・研究

埋文センター(X線装置)

 一階に分析、保存処理の中枢をなす木製品保存処理室、金属製品保存処理室、精密分析室の3室がある。
 「木製品や金属製品によって水やほこり、嫌うものが違うことから3部屋に分かれているんです」と話すのは、機器を扱う片多雅樹文化財保護主事(35)。
 原の辻遺跡にとどまらず県全体の遺跡から発掘された遺物の分析、保存処理を行う。室内には「走査型電子顕微鏡」「赤外線スキャナ」「透過X線撮影装置」「蛍光X線分析装置」「3Dプリンター」など九州国立博物館、福岡市埋蔵文化財センターと同等レベルが並ぶ。
 特に3Dプリンターは九国博、奈良県橿原考古学研究所以外にない最新機器。出土品を3次元で記録しレプリカを作る。ここで年間、およそ木製品300点、金属製品100点を分析、科学的に歴史の謎を紐解く。
 片多主事は同センターに着任後、二週間かけて原の辻遺跡の遺物約5000点を1点ずつ確認し、そのデータをシステム化。その過程で同遺跡には希少価値が高いものが多いと実感したという。
 「一級の機器、史料で仕事ができるところは全国的にもあまりない。光栄です」「弥生時代にはクニグニはあったが今の行政区は存在しなかった。北部九州、アジアと広い視野で仕事をし、原の辻の価値を内外にPRする成果を出したい」と目を輝かせた。
 センターでは月に1回、この精密分析室など施設の“裏側”を見ることができる「バックヤードツアー」(毎月第3土曜日の午後1時半~)と「精密分析機器で調べてみよう」(同日曜日)を開いている。事前の申し込み(同博物館・電話45―2731)が必要で定員は20人。当日参加も可能。


○社説 春の観光シーズンに

 壱岐でもサクラが咲き始めたと思っていると、気温の寒暖には影響されることはないのか?と思えるほどにあちこちで咲き始め、二、三日天候に恵まれれば一斉に満開になるのでは。春の島内観光のオプションの一つに、半城(はんせい)湾の岸近くに咲くサクラを船上から楽しむものがあるが、春らしい穏やかな日が続く中で、この季節をゆっくりとした心持ちで楽しみたいもの。
 日刊紙の広告欄には、そのシーズン入りを告げる旅行に関するものが目立って増えてきた。温泉と新鮮な海山の幸を主にしたもの、安さが売りのもの、逆に豪華さが目玉となっているものなど、国内、国外ともに様々。温泉は気候がよくなるこれから、その日差しをのんびりと浴びながら、青空の下で入る露天風呂も良さそうだし、各地を代表する新鮮で安全な食材を使った食事も旅をPRするポイントであり、安さは手軽さの要因ともなろう。豪華さも、例えば大型客船での船旅、有名旅館やホテルを利用する場合など、それこそ多くの選択肢が用意されている。
 ずい分長い間、「旅」と呼べるような旅行をしていない。仕事はもちろん、年齢を重ねて少々心も体も重くなったこと、何より現実的な問題が大きく目の前にある。何とか時間をつくり数日間―とも思うが、どこかに遠出しなくても、足元、壱岐を一周する観光バスに乗ったり、すっかり観光客気分で島内の宿泊施設を利用し、体験観光に挑戦、背筋、手足、ついでに心も、大きく伸ばしてみるのもよい。友達や仲間、家族とでもいいし、一人もなかなかよい。とにかく非日常を演出すること。アーティストになったつもりで、詩作や絵を描いたりと何かを創作してみるのも案外楽しいもの。
 壱岐の島の中には、そうした感覚を楽しめる空間がたくさん、そして多様にある。神社や仏閣、島のしま、まるでプライベートビーチのような海辺―と様々。先日オープンした一支国博物館で約二千年前の弥生時代の歴史とロマンに、遊んでみるのもそれぞれの新メニューに加え、ストイックにイメージを膨らませ、大自然の悠久のサイクルの中に入ってみたり、そこで感じる何かを意識してみたり、心静かに座り禅とまではいかなくても、ゆったりとした時の流れを味わってみるなど、デジタルの世界に浸るのではなく、逆に超アナログによる非日常性への体験も、言えば「旅」かもしれない。
 少々マニアックなくらいのそうした時間の演出を、官民一体となって「壱岐の旅」に重ねられないものかと思う。


○ひとしずく

平成六年(一九九四年)にノーベル文学賞を受賞した小説家・大江健三郎氏のインタビューの再放送が昨日午後、NHK総合テレビであった▼女性のアナウンサーが確か▽歩く▽読む▽書く―の三つのテーマで話しを聞いていた。まず「歩く」では、早朝、自分の書いた原稿の推敲を、歩きながら考え練り直していることが多く、非常に貴重な時間のようで、一時間で巡るコースでは、自然や人などを観察していることもあるそう▼「読む」では、幼い頃に母の一言から読書を集中してするようになり、探求、自分が何かの情報を得るために読み直すことはたびたびで、部分的にさがすより、最初から読み直すことが多く、「Reread(リリード)」=再読=は大切。原稿もよく読むという▼「書く」では、執筆作業で長い時間をかけて書き上げた最初の原稿を基に、手直しを続けていくうち、完成時はだいぶ変化している―などと話し、父の死について記した作品「水死」の直筆の原稿が紹介されたが、ほとんど書き直されているように見える程、手が入れられていたのには驚かされた▼特に、歩きながらの「観察」では、自分なりの発見をして観察眼を養い、季節を楽しみ、気に入った書籍を読み直すことで、作家の思いにより近付けるように理解を深め、時に重要一節をメモするなど、さっそく取り入れたい。

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2010年3月22日号 第4577号 

3月22日号 ―主なニュース―

○壱岐高初、卓球で全国大会へ『ベストを尽くします』
 女子シングルス・塚本絵美里さん(2年)


卓球

 第37回全国高等学校選抜卓球大会(全国高等学校体育連盟卓球専門部主催)が26日から3日間、福島県郡山市、郡山総合体育館で開かれるが、壱岐高校2年、塚本絵美里さんが女子シングルスに出場する。同校の卓球での全国大会出場は初の快挙。


○社説 「春分の日」に

 春―最近この時季の味として、友人の妻から母手作りの「土筆(ツクシ)粕漬」をいただく。程好い甘み、心地好い歯触りと、何ともバランスのとれた逸品で、これを肴に飲む酒は、左党の自分が、春を感じる季節感を代表する味覚となっており、今年も昨日頂戴し、ありがたく味わった。
 昨日二十一日、昼夜の長さがほぼ同じになるという二十四節気の一つ春分で、「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」とされる国民の祝日・「春分の日」であり、彼岸の中日にも当たることから墓参りをした人も多かったのではないか。
 今月は、啓蟄(けいちつ)の六日頃からカエルの鳴き声、ウグイスを代表に小鳥の鳴き声も力強く聞こえるようになりだし、日差しに輝くライン、クモの糸も今年初めて見かけ、ユスリカのような虫も見たが、その春分の日は、西高東低の気圧配置で、前日の暖かな気温が一気に下がり、天気は快晴となったものの、吹く風には冷たさが意識される一日となった。その風に乗った本格的な春を告げるという「黄砂現象」によるものなのか、車にはそれらしい汚れの跡がたっぷり着いていた。
 サクラ=ソメイヨシノ=の開花宣言が先日発表された。ヤマザクラも子どもたちの卒業シーズンから進学、就職など新たな人生のスタートを祝うように咲き始め、最近の非情にも大きな寒暖の温度差に身を縮めたり伸ばしたりと、その差に対応できずに調子を崩すことなど、人も自然界も同様で、体調を気遣い過ごしている人も多いはず、今年の新旧交代の厳しさは特別なのであろうか。どこかの世界のようでもある。変わるべきポイントで変わらなければ、次に来るものの邪魔になるばかり。後進に道をあけるようなことも、そうした際には事の規模の大小にかかわらず選ぶべき一つの方向である。
 スーパーで先日、タラの芽やタケノコ、ワカメ、メカブなどといった春の味覚に加え、早くもスイカが置かれていたのには驚いた。この季節感の先取りには少々目を見張ったが、次の季節の気配がそんなところにもはっきりと見え、それまで頻繁に食べていた春野菜を使った鍋料理をする機会も減ってきた。自然界の季節の移り変わりを意識するように、自分を取り巻くサイズから市や県、国と、変化する社会の環境に対しても、感覚を澄ましていたいものである。
 それは、この島の野山を観るように冷静に、人々が育ったその自然、それを育てたより大きな自然に対し、畏敬というか感謝の心、想いを抱くように響き合っていたいものと、この時季に意識される。


○ひとしずく

それにしても健脚ぞろい、青森県との県境に近い男性は、歩ける日は毎日二十~三十キロは歩くというから驚きで、そのスピードはストライドも大きく、自分の小走り程度、それ以上かもしれない▼二面に掲載したウォーキングの記事で、インタビューした大川功さんのことである。大川さんは、壱岐の風景は素晴らしく、ゆっくりと時間をかけて島内を巡ってみたい―などと話していたが、家を出る前に四十センチはあった雪が、今頃はもう少し雪が溶けて三十センチくらいには……と郷里へ思いを飛ばしているようでもあった▼が、このところのシケ模様の天候では、確か秋田、青森方面は、天気図の等圧線が込んで、荒れた気象になっていたように思う。変化が大きい気候に、今後も体調など崩さずに是非、再度、壱岐に歩きに来てほしいもの。あの歩きと姿勢の良さから見て、自分より四半世紀以上も先輩の大川さんの方が、ずい分と健康そうで若々しく見えたのだから大丈夫では▼最近は様々な健康法があり、テレビや週刊誌などで流行のたびに大きく取り上げられている。チャレンジしてみたいと思うものもあるが、なかなか三日坊主癖のせいか、その結果はこの体形に表れていない。先日も書いたNHKのラジオ体操と季節や自然をゆっくり感じながらのウォーキングが合っているように思う▼そろそろ薄着にもなるし……。

2010年3月16日号 第4576号 

3月16日号 ―主なニュース―

○歴史の発信、交流ツールに活用を―一支国博物館、埋蔵文化財センター開館―

テープカット

 国指定特別史跡「原の辻遺跡」を見下ろす芦辺町深江鶴亀触の高台に、県と市が整備した一支国博物館、長崎県埋蔵文化財センターが十四日に開館。島民のこれからの思いを乗せ大型多機能施設が船出した。
 約二千年前の弥生時代、大陸との交易の拠点として栄えた海の王都で暮らした古代人の思いも乗せた同施設は鉄筋コンクリート、地下一階、地上四階。延床面積は約七千八百平方メートル。設計は故黒川紀章氏。国内最後の遺作となった。特に屋根は曲線にして原風景との調和を強調。屋上緑化も施されている。


○社説 誇れる施設に一支国博物館オープン

 「佐賀県・吉野ケ里、福岡県・平塚川添などの大規模な弥生村は、大型の建物や墓の存在からも、それぞれの地域社会の中心的役割を果たしたに違いない。しかし、いずれも何と呼ぶ国に属するのか明らかにしようがない。その点、原ノ辻遺跡は、魏志倭人伝の一支国の中心であることは、おそらくあやまりない。こうして、魏志倭人伝に登場する国の中で実名を知ることができる国を初めて考古学的につかむことになった。保存状況や開発の進展を考えると、全国で初めてで、しかも最後となるだろう」。
 この言葉は、壱岐を代表する郷土史家の一人、故中上史行氏の著書「壱岐の風土と歴史」で原ノ辻遺跡について書かれた中の一節で、国立歴史民俗博物館の館長を務めた故佐原真氏の言葉で、その国宝とも言える国指定特別史跡・原ノ辻遺跡を見おろす位置に十四日、地域文化の情報発信、交流人口の拡大、現代の一支国・本市の地域振興の拠点施設として一支国博物館、県埋蔵文化財センターが、市民多くの期待を担いオープン、二千人を超える来館者が、約三千点にもなる展示物を見学するなど、博物館を体感した。
 来館した福岡壱岐の会の幡鉾賢輔会長は「感激した。展示や各種設備も素晴らしかった。特に子どもらが発掘や土器片を組み合わせたりできるコーナー、展望台がよかった」などと話し、旧壱岐原ノ辻展示館の館長を務め、原ノ辻遺跡の保存整備などに尽力した佐世保文化財調査事務所の副島和明所長は「市民や関係者皆の協力により、長年の夢が何とか実を結び、とてもうれしく、感謝しています」などと話し、郷ノ浦町在住の女性からは「約四万五千冊にもなるという歴史書や報告書が閲覧できるのは素敵。毎日通ってしまいそう」の声も。
 こうした声のほか▽日本を代表し世界遺産に通じるような遺物を、もっと前面に出してほしかった▽島の飾り的な施設とならぬよう、常に新たな企画などプラスすることも考えて▽もっと憩えるスペースが必要▽市民が一致して博物館を活かす方向で、親しみや懐かしさを意識できるような参加型の取り組み、企画を▽展示物やホールでの催しなど、今以上にPRを―など、博物館の今後に対する声も聞かれた。
 市民や関係者ら多くの期待も不安も積み込んでのオープンである。それだけに理解と協力を得られるだけの透明な運営と全スタッフの気配りやもてなしの心もさらに望まれよう。今後を傍観するのではなく、より主体的に自分なりに関わり、自分たちの誇れる博物館としたい。


○ひとしずく

昨日朝、出勤途中に、おそらくソメイヨシノだと思われるサクラの街路樹に一輪花が咲いているのを見かけた▼福岡管区気象台は一昨日、福岡市でサクラ(ソメイヨシノ)が開花したと発表をした。九州では一番早く、気象庁が統計を始めて以来、最も早かった昨年の十三日に次いで二番目の記録で、平年に比べて十二日早いという▼サクラが咲くには、冬の寒さで休眠していた花芽が”目覚める”ための強い影響が必要で、二月の下旬に気温が高い日が続いたため―などとされており、満開は一週間から十日後の見込みだそう▼市内でも今週中には咲き出して、毎年楽しみにしている県壱岐振興局から合同庁舎、盈科小学校の土手と、両サイドに並ぶサクラの満開の頃も下旬にはと、枝が広がって花のアーチのようで素晴らしい光景が、今からとても待ち遠しい▼残念ながら入学式の頃には葉ザクラとなってしまうが、島の野山、内湾の岸辺に咲くヤマザクラの咲き具合も気になる。各地に植樹されているサクラの花の咲き具合も同様で、弁天崎公園や少弐公園、城山公園、万葉公園―と、公園などのそれもである▼それにしても、季節の移行は例年通りなのか。年ごとに加速しているようにしか感じられないのである。まあ、新たな季節、変化の訪れということでよしとしよう。

2010年3月11日号 第4575号 

3月11日号 ―主なニュース―

○社説 春の定期異動に

 県警の今春の定期人事異動が例年並みの千人を超える規模になる見込みなどとする記事が先日、長崎新聞に掲載されていたが、内示があり東海方面や長崎など今月最後の週末に転勤する人たちが利用する船、空の便に関する話題を、早いもので今年も耳にする頃となった。
 来週末には県教職員と県職員の異動の内示が予定されていよう。毎年この一年間を締めくくる年度末の三月に定期人事異動が発令されて、諸官庁や各企業などは転出、転入のトラックの手配から歓送迎会のセッティングまで、通常の仕事も含め馴れたものとはいえ、気忙しく大忙しであろう。
 今回の異動では、これまでおよそ四半世紀を超えて趣味としてきた釣りを通して、主な対象魚は異なるものの―異なるからこそ勝手に「友」と思い込み決めた友人が転出するだけに、この時季に郷ノ浦、芦辺、石田の各港で展開される、島を後にする人たちと見送る人たちの心を結ぶように渡された五色の紙テープが、ドラの音を合図に徐々に岸壁を離れるフェリーにより、数年間の思い出などを断ち切るように手から春風に引かれて舞う…という、離島(しま)ならではの情感に満ちた別れのシーンに出会うたびに”グッ”とくる瞬間があるのではと、今から思っている。
 県内、九州ブロック、全国など、およそ二~三年間のサイクルで勤務地、職場が変わる企業のサラリーマン、公務員らは、この異動での昇格や新任地など、本人はもちろん家族があればその全員の、周囲のそれに対する様々な思わくがあり、自分もずい分と経験してきたが、それぞれに精神的、経済的ストレスがかかる。それは、各職場も同様で、相方が共に、新たな心持ちで変化という新風を吹かせてほしいものと願わずにはいられない。
 異動には変化、新たなる風という視点もあろうが、それぞれの場にいる上司、人材を束ね率いる立場にいる職員たちには、スペシャリスト的な存在を育てて行くこともテーマとして望まれていよう。その課程では年齢や性別に関係なく、後のものが先になるような状況も表れることもあろうが、新たな視点や発想など、そうした感覚などが育てる側を育てることにもなり、スキルアップに魅力ある存在となる。それは地域振興や職場の環境改善、実績向上にもつながろう。
 さて、転勤で壱岐を離れる人たちには、これまでの壱岐振興への尽力に感謝し、今後の活躍を祈念したい。加えて新任地では壱岐の魅力を大いにPRしてほしい。逆に壱岐が活躍の場となる人たちには、存分な実力発揮を願いたい。


○ひとしずく

週明け頃からシケ模様の天候が続き、昨日は強い寒波の影響により、翌日の交通事情が少々心配されるくらい、壱岐でも強く雪が舞った▼先日は料理店を経営する知人が、シケで魚が少ない上に値段が高くて困っているなどとこぼしていたが、スーパーの鮮魚コーナーで並んでいた魚の値段の高さには驚かされ、横に置かれた焼き魚用の塩を効かせたものや干物に、買い物客の手がよく伸びているように見えた▼ウグイスが、この寒さでノドがかれたのか、リズムにかなり狂いが生じ「ホーホケキョ」とうまく鳴けずにいたが、寒波の襲来にも負けず草木は芽吹き、ウメは峠を越えたようだが、ヤマザクラや植物の花と緑が島を彩り始めている▼そろそろ海水の温度も徐々にではあっても上がってこようし、産卵期を控えてクロダイ=チヌ=やアオリイカ=ミズイカ=など、どんどん浅場へと回遊してくる時季となろう。そうなると島の自然は生命の躍動感に満ちて、春という季節も爛漫の頃となる▼そんな自然の中を歩いてみると、空き缶やタバコの吸い殻などといった小さな物から粗大ゴミや様々な廃材まで落ち、棄てられ、それは海でも漂着ゴミ、釣り関係のゴミなどと合わせて同様の状況である。見えにくかったり波に洗われればよいというものではない。自然は島の心である。大切にしたい。

2010年3月5日号 第4574号 

3月5日号 ―主なニュース―

○新年度予算案―227億5、500万円に―
 ―島外通勤・通学助成費など計上―


 白川博一市長は一日の定例会見で、一般会計の総額が二百二十七億五千五百万円となる来年度当初予算案を発表した。本年度当初予算に比べ八億八千六百万円(三・七%)減。きょう五日開会の市議会三月定例会に上程する。


○本市から5店舗認定―県「ながさき地産地消こだわりの店」―

 県はこのほど、本市内の飲食店五店をはじめとした県内二十一店を「ながさき地産地消こだわりの店」に認定した。
 この認定制度は、本県産の食材の良さを知ってもらい地産地消を一層推進するため、県が本年度創設。地産地消にこだわっていることが来店者にわかりやすくメニューに表示されているか、米は県産米を一〇〇%使用しているか、酒、焼酎は常に県産品を取り扱っているか―などを認定要件に募集していた。本市で認定されたのは▽うにめし食堂はらほげ▽味処うめしま▽洋食と珈琲の店トロル▽ホテルアイランド壱岐▽モカジャバカフェ大久保本店。認定期間は三年間。認定店には認定証(プレート)、県産ひのきを用いた木製看板が配布されることになっている。


○日本舞踊で文化に親しむ―ALT2人、藤川流舞初め会―

ALT舞踊

 二十八日、郷ノ浦町、文化ホールで開かれた日本舞踊、藤川流(東京)壱岐支部舞初め会に本市の外国語指導助手(ALT)の二人が出演し、日本の伝統文化に触れた。
 出演したのはアメリカ出身のキャサリン・ブラウアーさん(22)とカナダ出身のエイバ・ルーダチャックさん(22)。キャサリンさんが一年前から、エイバさんは五か月前から舞踊の稽古を積んできており、当日は、艶やかな着物に身を包み、「舞妓はん」を舞いきった。会場からは盛んな拍手とともに、「お上手ね!」という声が上がっていた。


○知ろう行こう我がまちの文化財―2日間で136人が熱心に受講―
 ―一支国研究会・『壱岐学塾』―


壱岐学塾対馬塚古墳

「知ろう 行こう 我まちの文化財」。 
 一支国研究会(鵜瀬守会長)主催の「壱岐学塾」が先月二十六日と二十七日の両日開かれ、考古フアンら百三十六人の市民が参加して、古墳などから本島の歴史を熱心に学んでいた。 


○メジロ鳴く壱岐やぶ椿の森づくり―那賀小児童も参加、市森林同志会―

 市森林研究同志会(市岡賢会長)はこのほど、芦辺町中野郷、梅野木ダム横に切り開かれた土地を利用して「めじろ鳴く壱岐やぶ椿の森づくり」活動を実施、那賀小学校の五、六年生と関係者ら約五十人が参加して「壱岐やぶ椿」の苗木 三百五十本を植えた。


○社説 「ももの会」の「まちの元気づくり」

 もうずい分以前から、我が社からもよく見渡せる郷ノ浦の本町通りを、歩く人たちの減り方に不安を感じていたが、ここ数年の減り様は著しく、観光客、買い物客らの姿はぐっと減って、目につくのは病院に関係する人たちばかりで、買い物をする市民らの姿がほとんどないように見える時もたびたびである。
 夜など我が家から歩く五分程度の飲食店までの間、ただ一人の市民を見かけることがないこともたびたびで、よく友人らと出掛けた先の店主らと”あの頃は”と懐かしい話に夢中になる。「例えば警察にも協力してもらい、月に一回程度、街のメイン通りを通行止めにして、祭り的なイベントをしては」「空きスペースを利用して市内外のパフォーマーに使ってもらう」「広く意見を求める」「年齢や肩書きに気を使わずに熱く語り合える場、機会を」などなど。
 芦辺浦のバス停横にある市民の憩いのスペースや郷ノ浦の同様の場、勝本浦の古い街並みを活かした整備、印通寺浦のマリンパルを拠点にした活動など、各地に様々な取り組みがあるが、人口の減少や少子高齢化、長引く不況と効果が感じられない国、地方の施策、逼迫する財政―など、厳しい現状の中で、高齢化により減る一方の動ける人たち―と、地方の商店街の活性化は、全国的な問題でもある。一度閉じたシャッターを再び上げることは、その気があってもなかなか難しい。
 そうした中で、「まちばどうにかせにゃいかん」、人通りが少なくなった郷ノ浦の街に元気を取り戻そうと、有志約三十人が集まり「ももの会」が組織され、広さ約二十畳程の郷ノ浦の空き店舗を利用して、この四日まで市内各地から持ち寄られた雛人形や八朔雛、生け花などを見事に展示、八朔雛折り方講習もあり、期間の延長を求める声や次回の日程などを尋ねる市民もあった。その開催には手応えが感じられたのではないか。”初めの一歩”を踏み出したももの会のメンバーにエールをおくりたい。臆することなく次の一歩、その次の一歩と、歩を進めてほしい。人々が様々に交流することの楽しさに対し、その場を提供する側の人たちと訪れた人たちの考えや思いがそれぞれに異なったとしても、楽しさを共有することに異議を唱える人はいないはず。もう、そんなことを言っている場合ではない。
 ももの会の今後の取り組みが、様々な違いを知ることで、よりその特徴を発揮しながら、まちの元気づくり活動というテーマを、多くの市民と共有した活動として、思い切って変化を恐れず展開してほしい。


○ひとしずく

町内のスーパーでも近頃は、地産地消の推進ということもあってか、市内の生産者が収穫した野菜がズラリと並んで、今の季節が実感できる▼鮮魚コーナーにも、メカブやカメノテ、一週間ほど前にはササイカ、数日前にはチヌ、そろそろシーズンが終盤に近いクロが並ぶなど、ここでも壱岐の島の春の味が十二分に味わえるような季節感があった▼二十四節気の一つで、凍りついていた雪や霰(あられ)が解けて水となり、雪も雨になって降る頃という「雨水」(二月十九日)から数えて十五日目、あす六日は冬のあいだ穴に隠れていたもろもろの虫が土の中から這い出してくる頃の「啓蟄」▼最近は、寒さの中にも冷たさがあまり感じられなくなり始め、太陽が顔を出すと春爛漫の陽気となる。南まわりの風に、日当たりが良くそれまでの季節風が吹き込みにくい場所では、ウメはもちろんサクラも咲き始め、枯れた芝の下には緑の息吹きが力強く見える▼「啓蟄や日はふりそそぐ矢の如く」(高浜虚子)の句を、そのまま壱岐の野山に田畑に感じ、早まる一年というサイクルのスピードをこんなところでも実感しながら、芽吹く新芽の成長に様々な思いが重なる▼その新芽自身がふりそそぐ日を遮ることがないようにと願い、伸びやかに心身を開き精一杯日を受けて開花の時を―と思う。

2010年3月1日号 第4573号 

3月1日号 ―主なニュース―

○社説 両高校の卒業生に

 今年もきょう三月一日、壱岐・壱岐商業両高校の卒業式がそろって行われ、壱岐は男子百八人、女子百十六人の合計二百二十四人、壱岐商業が男子六十人、女子四十二人の合計百二人と、両高校合わせて三百二十六人(男子百六十八人、女子百五十八人)が、人生の中で最も多感な頃とも言われる十六歳から十八歳の三年間の学生生活を送った思い出多き学舎を後にした。
 今から三十余年も前の自分のその頃を想ってみると、それは多くの出来事や体験が次々と浮かび、善くも悪くもその時の喜びや悲しみ、感情が込み上げ、無力感にさいなまれながら来る日も来る日も才能について考え、様々な機会に出会った多様なジャンルの人たちと話すことで大きな刺激を受けたこと、思いの丈をぶつけたような手紙や詩を書いたりしていた姿が、その時の情景と一緒に鮮明に蘇ってくるほどの輝きを放っている。
 この春も進学や就職で多くの若者たちが、ふるさと壱岐の島を離れるなどして、それぞれの新たな場へと旅立ってゆくが、これまでの心に刻まれたシーンの一コマ一コマを、これからその場で出会う人たちとのより豊かなコミュニケイションづくりに、例えば「才能は開花する」の言葉を信じて、種であったり芽を土の中から出したばかりであったとしても、再び土の中へ戻したり枯らすことがないよう、土という自分の環境を耕し続けてほしい。
 それぞれがオンリーワンの存在として、その個性・違いを認め合いながら、その環境を自分で選び整え、自分の特徴を活かし、一つも同じものがないというルールのパズルのように、多くの「一つ」と共にその役割を大きく果たしてゆくためにも、短所や苦手と思うことも、それが習慣となる程に取り組み、慣れることでクリアし、長所と合わせて向かう今に焦点を定め作用させ続けて、より充実した自分、この変化の時代を生きてもらいたい。
 社会、時流は「寄らば大樹」のピラミッド型スタイルから、先のパズルの”一つ”に表されるように、個々がそれぞれの違い、特徴、役割を活かして結びつくという作用を起こすことで、可能性は無限大となる。個々がそれぞれに際立ち、よりストレスが少ないコミュニケイションに基づいた、人はもちろん地球というこの星、一つの場のあらゆる存在が、共存できる時代へと移行する過渡期にあるともされる。そんな激動の中を行くあなたたちに次の言葉を贈りたい。
 チャレンジを止むことなしやその心 若きを保て知を得て高く。


○ひとしずく

災害というのは、いつ、どこで発生するのかまったく予測できない―という言葉を裏づけるような巨大地震が二十七日未明、南米、チリで発生した▼そのとてつもないエネルギーによる津波が太平洋を伝わり、岩手と高知県両県の港で最大一・二メートルの津波を観測、本県内でも数十センチ程度の津波が見られたというのだから、その規模には驚かされる▼以前、チリではこの地震を上回る大きさの地震が発生し、その際は、情報が無いままに津波が岩手方面を襲い大災害となったというが、最近は観測システムなどが発達して、津波に関する情報を、様々に国民に周知でき防災対策も進んで、被害は道路の冠水程度で済んだと聞いた▼チリには、アメリカや日本など各国が救助活動の用意があることを表明しており、その活動への対応を急いでいるところなのだろうが、昨夜のテレビニュースでは、暴動が起きている様子を写し出し、暴徒へのインタビューで、父親が子どもたちの食料のために―などと話していたのにも驚くばかり▼以前、ボランティアの集いで災害ボランティアの代表が、情報の伝達がまず重要―などと話していたが、そのテレビニュースを見て「どこで、何をしている」など情報の大切さが実感され、この大地震の被災地に一刻も早く支援の手、心が届くことを祈念する。

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